kintone(キントーン)をデータベースとして使う

こんにちは。kintone(キントーン)導入支援のギャンです。
今回は「kintone(キントーン)をデータベースとして使う」ということで、kintoneをデータベースとして利用することについて書きたいと思います。

データベースとは

データベースとは、決まったデータ構造(構造化)で整理されたデータの集まりのことで、通常はコンピュータ内に電子的に保存されています。データベースは大量にあるデータを検索しやすいようコンピュータ上で整理したデータ群です。例として、顧客情報を「氏名」や「電話番号」の項目ごとに整理したり、複数の商品情報を「商品コード」別に分類したりしたものがあげられます。なお、紙の電話帳や辞書なども大量の情報を扱いやすいように整理されているので、データベースといえます。

kintoneはクラウドデータベース

kintoneは誰でも簡単に業務アプリケーションを作成できる業務改善プラットフォームですが、クラウドデータベース(Webデータベース)という側面も持っています。アプリのレコードを大量に格納することができますし、そのレコードの集計や検索や抽出を行うことができます。(参考:kintone(キントーン)とは

kintoneでデータベースの作り方

kintoneでデータベースを作成するのはとても簡単です。kintoneではアプリとデータベースは一体ですので、アプリの作成で入力フォームに必要なパーツを配置して保存するだけで「器」としてのデータベース(=アプリ)が作成できます。また、作成後に項目の追加、修正、削除を行うことも容易です。(参考:kintone(キントーン)アプリの作り方

データの入力

データ(レコード)の入力ですが、アプリを起動し入力フォームから手作業で入力するだけではなく、Excel等でCSVファイルを作成すれば、一括で読み込ませることも可能です。(最大10万件まで一度に読み込むことができます)また、連携プログラムを作成し、kintone REST APIを使ってデータを投入することもできます。例えば基幹システムのデータをプログラムで読み込んでkintoneアプリに連携させるといった使い方ができます。なお、保存されたレコードにはユニークな「レコード番号」が自動で付与されます。(参考:kintone(キントーン)のシステム連携

データ一覧

入力し保存されたレコードはExcelのように一覧形式で表示することが可能です。一覧に表示する項目は自由に選択することができますし、表示する条件および一覧のソート条件も画面上で設定することが可能です。また、その項目や条件は保存し再利用することができます。

検索結果の表示

検索機能も用意されており、様々な条件でレコードを抽出することができます。さらにkintoneのすごいところは抽出されたレコードを一覧だけではなく、簡単にグラフ(棒グラフや折れ線グラフ、円グラフなど)やピボットテーブル形式で表示することができます。また、TableauやPowerBIのようなBIツールとまではいきませんが、ダッシュボード表示のプラグイン(Krew Dashboard)を活用することで簡易的なBIツールとしても利用可能です。なお、kintoneはクラウドサービスですので、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からも利用することができる点も便利です。(参考:kintone(キントーン)のグラフについて

kintoneとACCESSとの違い

アプリケーションを作成できてデータベースでもあるという点では、マイクロソフトのACCESS(アクセス)に少し似てるかもしれません。両者の大きな違いとして、ACCESSは複数のデータの連携が得意ですが、kintoneは複数のデータの連携はできないことはありませんが、あまり得意ではありません。また、ACCESSはレポート機能がありますので、帳票を作成することができますが、kintoneの標準機能は帳票作成は得意ではありません。ただし、ACCESS、kintoneの両方で業務アプリケーションを作成してきた経験からすると、初心者でも扱えるという点ではkintoneの方が圧倒的に簡単ですし、データ(レコード)の見せ方という点でもkintoneが優れています。

データベースとしての課題

ただし、kintoneはデータベース専用ではありませんので、いくつか弱点があります。まずはレコード件数ですが、現状では100万件を超えると表示、検索等がかなり遅くなりますので注意が必要です。(将来的に改善される可能性はあります)またkintoneにはトランザクションのような概念はありませんので、複数のアプリ(データ)を一斉に更新するような処理は向いていません。また、検索の際の条件設定において、kintoneでは一般的なSQLのような複雑な条件設定(ANDとORの組み合わせなど)はできませんので、注意が必要です。なお、kintoneのレコードの排他制御については、同じレコードを複数のユーザーで開いて編集した場合、先に保存したほうが優先され、後で保存しようとするとメッセージが表示されて保存できません。

データをSQLで操作したい場合

なお、kintoneのデータをSQLで操作したい場合ですが、有償ですが、「CData Sync for kintone」という製品があります。「CData Sync for kintone」は、クラウドサービスからリレーショナルデータベースにデータ連携・同期ができるツールとなっており、SQL SeverやMySQLなど様々なリレーショナルデータベースにノンコーディングで同期をすることができるため、リレーショナルデータベースでのデータ操作に慣れている方には利用をおすすめします。

kintoneをデータベースとして使うのまとめ

「kintoneをデータベースとして使う」ことは、大量のデータを扱ったり、複雑な検索をする必要がない場合であれば、手軽に簡単にデータベースとして利用できますのでお勧めです。しかし、本格的なデータベースとしての利用は向いていませんので、注意が必要です。弊社では様々な業種、業務へのkintoneの導入の経験が豊富ですので、お気軽にご相談下さい。