kintone(キントーン)と電子カルテ・レセコンの連携

こんにちは。kintone(キントーン)導入支援のギャンです。
先日、「kintone(キントーン)と外部システムの連携」について書かせていただきましたが、今回は病院における基幹システムである電子カルテ・レセコン(医事会計システム、医事コン)とkintoneとの連携についてお話しさせていただきます。

電子カルテとは

従来医師が診療の経過を記入していた紙のカルテ(診療録)を電子的なシステムに置き換え、電子情報として一括してカルテを編集・管理し、データベースに記録するシステムを電子カルテ(略して電カル)と呼びます。

レセコンとは

医療施設から健康保険組合などの支払い機関に対し、診療報酬を請求するために「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するコンピューターシステムのことをレセコンと呼びます。医事会計システムや医事コンと呼ぶこともあります。

電子カルテ、レセコンともに、基本的にはkintone REST APIを使った連携プログラムを作成してkintoneアプリと連携します。

kintoneと電子カルテの連携

まずは電子カルテとの連携ですが、電子カルテはたくさんのメーカーがあり、仕様は各社バラバラであるのが実情です。またデータ連携を行うためには、電子カルテのデータベースを参照する必要があるのですが、基本的にデータベースは公開されていません。ただ一部のメーカーは秘密保持契約を締結することでデータベースを公開していたり、ユーザーである病院にはデータベースを公開していたりいます。もしくは有償でビューを作成するメーカーも存在します。ですので、kintoneと連携するには、電子カルテのデータベース、もしくはビューが参照可能ということが必須になり、それ以外の電子カルテと連携することはできないというのが現在の状況です。電子カルテのデータベースを参照できれば、日々のオーダーの状況(入院、投薬、処置、検査、手術など)、評価の結果がリアルタイムで取得できるようになります。次に説明するレセコンからも診療行為ごとのデータを取得することは可能ですが、月1回前月分を取得する形となりますので、レセコンからは過去分の結果しか取得できませんが、電子カルテと連携することでほぼリアルタイムに状況を把握できるようになるという点が最大のメリットになります。具体的には、現在の病棟ごとの入院状況や今後の入退院の予定の把握、検査科などの業務日報への検査種別ごとの検査数集計、前日までの患者ごとの医療区分などの施設基準の把握などが可能になりますので、課題、問題点の早期把握が可能で対応の迅速化を図ることが可能になります。

kintoneとレセコン(医事会計システム、医事コン)の連携

次にレセコンとの連携ですが、レセコンは電子カルテに比べるとかなり少ないですが、複数のメーカーがあり、仕様は各社バラバラです。ただし、レセコンの場合は保険診療については、共通のフォーマットでデータを出力することが可能です。1つはレセプト電算データ(レセ電ファイル)、もう一つはDPCのEFファイルになります。これらは共通のフォーマットが定められており、その形式でデータが出力されます。ただし、レセプト電算データ、EFファイルともに、保険診療についてのデータしかありませんので、自費(文書料、差額ベッド代など)については把握することができないという点があります。自費についても把握したい場合、レセコンのメーカーごとに仕様は異なりますが、ほぼ全てのレセコンに、統計の機能があり、CSVもしくはExcelでデータを出力することが可能ですので、それを読み込んでkintoneへ連携させるプログラムを作成することができます。なお、電子カルテのようにデータベースを参照しない理由としては、レセコンの場合、毎月のレセプトを出力することが最大の目的であるために、レセプトの締め作業が必須であり、最終的な集計結果が利用可能な形でデータベースには保存されていないメーカーがほとんどであるためです。レセコンと連携することで入外別、病棟別、診療科別、医師別の売上集計、さらに診療区分別、診療行為別の集計も可能になります。

kintoneと電子カルテ・レセコンの連携のまとめ

今回、電子カルテ、レセコンとの連携についてまとめましたが、実際に導入されている電子カルテ、レセコンによって連携できるか否か、連携できる場合の詳細な方法など異なるというのが実情ですので、kintoneとの連携を希望される場合には、個別にご相談をお願いいたします。電子カルテ、レセコンと連携する場合、kintoneでできることが大きく拡がります。これまでにそれぞれ複数のメーカーと連携した経験がございますので、お気軽にご相談ください。