kintone(キントーン) × RPAで週報の自動化

こんにちは。kintone(キントーン)導入支援のギャンです。
今回は「kintone(キントーン) × RPAで週報の自動化」ということで、kintoneとRPAを組み合わせて病院の週報作成の業務を自動化した事例をご紹介いたします。

kintone × RPA導入前の週報作成の状況

kintoneを導入されたのは、病床数200強の急性期病院になります。
これまでは担当者が毎週、電子カルテから出力されたデータを基にExcel(エクセル)に手作業で数字を転記し週報を作成されていました。週報には診療科及び病棟ごとの入院数、退院数、在院患者数だけではなく、外来患者数、オペ(カテーテル)件数、救急受入数(うち入院数)などを記載するために、電子カルテから複数のデータを抽出し、さらにそれを1週間分集計したうえでExcelに入力されていましたので、作成に1時間以上かかっていました。また作成手順等は担当者に属人化してしまっていましたので、休暇等の場合は1日遅れの作成になっていたりしました。さらに手作業で集計された結果をExcelに転記されていましたので、時折ミスで数字が間違っていることもありました。

RPAを組み合わせて週報作成を自動化

これをkintone導入の際に、「週報の作成を自動化できないか?」との相談をいただきましたので、実現方法を検討し、kintoneとRPAと組み合わせることで自動化を実現しました。具体的には、以下の手順となります。

  1. kintone上に週報アプリを作成し、RPAを導入する。
  2. 毎週、設定した曜日・時間に、RPAを起動する。
  3. RPAで電子カルテから必要なデータをCSV形式で抽出する。
  4. 抽出したCSVファイルを作成した連携プログラムで読み込み集計を行う。
  5. 集計した結果をkintoneのREST APIで週報アプリへと登録する。
週報アプリの画面
週報アプリの画面例

RPAとは

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の略語で、パソコン上で人が日常的に行っているマウス操作やキーボード入力などの操作手順を記録し、それを高速で正確に実行することができます。その結果として、既存の事務的業務を効率化し、生産性を向上させることが可能になります。RPAを導入するメリットとしては、業務の効率化や生産性向上に加え、人的ミスの削減、事務作業から解放された従業員のモチベーションの向上、より付加価値の高い仕事に集中できる、人手不足の解消、といったことがあげられます。なお、この事例で使用したRPAは国産RPAの「RocketMouse Pro」になります。このRPAは非常に安価で買い切りの製品という特長があります。マウス操作やキー操作を自動記録してマクロファイルとして保存、いつでも呼び出して再生することができ、これ一つで定型的な作業の完全自動化を実現できるRPAです。このRPAで作成したシナリオをWindowsのタスクスケジューラから呼び出すことで自動化を実現しました。

RPA(ロケットマウス)

週報作成自動化の成果

このRPAとkintoneの連携による週報作成業務の自動化によって、担当者が週報作成にかけていた時間(年間で約60時間)を削減でき、その分の時間を前向きな仕事に充てることができるようになりました。また、RPAにより毎週、決まった曜日・時間に週報が完成するようになり、属人化していた作業をなくしたうえに、数字も正確になるという大きな成果を上げることができました。

kintone × RPAで週報の自動化のまとめ

今回は病院においてkintoneとRPAを活用した週報作成業務の自動化の事例ですが、週報だけではなく、日報、月報、報告書などについても同様にkintoneとRPAを活用することで自動化を実現できます。また、業種、業務に関係なく、このようにRPAを活用し、kintoneを他のシステムと連携させることにより、大きな業務改善を実現することが可能ですので、kintoneの導入とRPAの活用を検討されてはいかがでしょうか?お気軽にご相談ください。